今回ご紹介するイポーとタイピンは、共に今日のマレーシアを知る上で欠かせない町です。19世紀から20世紀へと続く激動の時代、錫産業の発展によって数多くの移民が集まり、戦前戦後を通じて一大産業都市として発展した2つの町の歴史を辿ってみましょう。
ペラ州に位置するイポーとタイピンは、クアラルンプールとペナン島のほぼ中間にあり、周囲を深い山々で囲まれた町です。今日では静かな佇まいを残す地方都市ですが、19世紀にこの一帯で錫(すず)が発見されると、この2つの町はマレーシア随一の産業都市へと大きく変貌を遂げます。とりわけ中国系移民が労働者として集まり、その中から多くの富豪を輩出したことでも知られています。同時に、異なる地方からやってきた中国人グループ同士の争いも絶えず、秘密結社同士の抗争や、ペラ州のスルタンの継承問題など、問題が絶えなかったといいます。ここに登場したのがマレー半島への勢力を拡大してきたイギリスの存在です。19世紀後半にはイギリスによる実質的な統治が始まり、イポーとタイピンには錫産業を中心とした外国資本が流入し、当時マレーシア随一の産業都市へと発展します。町に残るコロニアル建築や歴史的な建造物は、今日のマレーシア社会のルーツに深く関係した見どころばかり。ぶらぶらと散策を楽しんでみたくなる町です。





