標高とともに熱帯雨林から岩肌へと姿を変えるキナバル山。垂直分布とはこれを断面図のように表したもので、キナバル公園の植生の垂直分布は実に変化に富み、これが世界遺産登録の大きな理由となっています。ここでは大きく4つの「顔」に分けて、キナバル公園の豊かな表情をご紹介します。
[エリア]ポーリン周辺
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ポーリン周辺はラフレシアの群生地として有名 |
キナバル公園の総面積の3分の1以上を占めるのが、山麓に広がる熱帯雨林=「低地フタバガキ林」です。その典型が標高550メートル地点にある、ポーリン周辺。50メートル級のフタバガキ科の高木は、キャノピーウォークを楽しめることでも知られています。また、低地フタバガキ林には果実をつける樹木(ドリアン、イチジク、タラップなど)が分布していることから、公園内で最も多くの動植物が息づいています。ポーリン周辺は世界最大の花・ラフレシアの自生地としても有名で、開花していると周辺の道路沿いに看板がでていることも。ボルネオらしい、生命の賛歌を体感できるスポットです。
[エリア]公園本部周辺~登山道
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公園本部には様々なトレッキングルートがある |
蒸し暑いポーリンから一転、標高約1,560メートル地点にある公園本部(PHQ)周辺は、ひんやりした空気に包まれます。「山地帯」に属するこの周辺は、日本で見るよりはるかに大きなシダ植物が増え、さながら太古の地球に迷い込んだような感覚に。また、ブナ科や針葉樹林が目立ち、標高とともに背の低い樹木が増えて視界が開けてきます。公園本部から登山道へ入り標高2,000メートルを超えてくると、ラン、ウツボカズラ、シャクナゲなどが自生し、散策が楽しいエリアです。
[エリア]登山道上部
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ウツボカズラは公園内で 広く目にすることができる |
標高をさらに上げて3,000メートルを超えてくると、風が吹き、目線の高さに雲があるほど。「亜高山帯」と呼ばれるこの地帯は、土壌の養分も乏しく樹木もほそぼそとしています。こんな貧栄養の地を生息地にしてしまうのが、食虫植物のウツボカズラです。土壌がだめなら袋に入った虫を溶かして栄養補給してしまう、そのたくましさに脱帽・・・。また、キナバル山では3,700メートル付近で森林限界となり、その先はわずかに草木が顔を出す程度で、高い樹木の育たない、岩肌に包まれます。
[エリア]山頂付近
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麓のジャングルとは一転、神秘的な山頂の景色 |
人々から「魂が宿る場所」として崇められてきたキナバル山の頂点は、登りきった者だけが味わえる感動の絶景です。頂上付近を占めているのはゴツゴツとした不毛の岩肌。そこに刻まれた無数の線は、氷河によって削られたもので、キナバル山が海底隆起によって盛り上がった山であることを物語っています。