from 編集部 今月の気ニナル!B級調査隊 国境が逆転!?マレー鉄道のなぞ

夏休みにマレー半島を鉄道で縦断しようと思っている方も多いかもしれません。陸路での国境越えは日本では味わえない体験です。ところがマレーシアと隣国シンガポールの国境越えには不思議な現象が・・・。
出国の前に入国?スタンプがない!?

マレー鉄道の旅は陸路で国境越えができるとあって、昔も今もバックパッカーを中心に人気のルートです。ところがこのマレー鉄道、南端の始発駅であるシンガポールから北上する場合に限って腑に落ちない現象が起きるのです。というのもシンガポール駅に置かれているのは、シンガポール領内であるにもかかわらず「マレーシアの入国審査場」。しかもパスポートを提示しても入国印を押してもらえません。「あれれ、シンガポールをまだ出てないんですけど~」の疑問を乗せたまま列車は出発、30分ほどでマレーシア国境の手前にあるウッドランズで一時停車し、ここでシンガポールの出国手続きをします。再び列車は動き出し、マレーシア領内へと入りますが、ここでは何の手続きもなく(パスポートの入国印はないままに)マレー鉄道は北上を続けるといった具合です。
事情を知らない旅行者にとっては大いに不安なこの出入国システムは、かつてマレーシアとシンガポールが一つの国であったことに起因しています。1965年、マレーシアからシンガポールが分離独立したため、当初マレー鉄道が999年間の租借地としていたシンガポール駅までの領有と出入国管理を巡る混乱が生じ、問題は今なお未解決なのです。
マレーシア→シンガポールの南下ルートについては、ジョホール・バルでマレーシアを出国し、ウッドランズでシンガポールに入国する形におさまりましたが、シンガポール駅始発の北上ルートではマレーシアの出国審査場がシンガポール駅に残ったまま。「出国しないのに次の国に入国しているなんておかしい」ですよね。これに対してマレーシアは「出国していないパスポートに入国スタンプは押せない」として、パスポートではなくマレーシアの出入国カードにスタンプを押している状態です。もっとも、マレーシア出国時にパスポートに入国スタンプがなくても、スタンプの押されたカードの半券をみれば係官も理解しているのでご安心を。これからマレー鉄道でシンガポールから北上をお考えの旅行者の方は、スタンプの押された出入国カードの半券(および念のため乗車券も)を紛失しないようご注意を!不思議な国境越えも、ある意味ユニークな体験と思って旅を楽しんでください。

マレー鉄道ホームページ: www.ktmb.com.my

プラットフォームに
小さな入国審査場がある

審査場を過ぎれば
重厚な車両が待っている

コーズウェイを渡ればマレーシア(手前)