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旅行者にはその名をほとんど知られていない町タイピンTaiping、中国系住民が多く漢字では「太平」と書きます。ペラ州北部に位置するこの町から沿岸部のポート・ウェルド(現クアラ・セレタン)までの約13kmという短い区間がマレー鉄道の原点。KL、ペナン、マラッカ、ジョホール・バルといった主要商業都市ではなく、なぜタイピンなのか。その答えはマレーシアの経済発展を支えた錫(すず)と大きな関係があります。当時タイピン周辺は錫の一大産地として栄え、中国各地からの移民が大量に渡ってきました、統治国イギリスはタイピンを拠点に錫事業の運営にあたり、大量輸送を可能にする鉄道が敷かれたというわけです。その翌年には同じく錫の生産拠点であったクアラルンプールからスウェッテナム港(現ポート・クラン)を結ぶ路線が、そして1913年にはマレー半島を縦断する現在の鉄道ルートが完成します。錫産業の衰退とともに初期の路線は廃止されてしまいましたが、ポート・ウェルドにはかつての駅舎跡が静かに歴史を物語っています。
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